「どんな仕事も完璧にこなさないといけない」
そう思っていませんか?仕事は諦めが肝心です。
「諦めるのはだらしない人がすることでは?」「仕事の手を抜くなんてできない」と思う人もいるでしょう。
仕事でただ諦めるのはサボりと変わりません。
しかし、正しく諦めることで、効率を上げたり、ストレスを軽減できたりなどします。
では、仕事での正しい諦め方とは、どのようなものなのでしょうか?
仕事は諦めが肝心な理由とは
完璧主義はデメリットだらけなので、諦めるべきポイントで諦めるようにすると、いろいろなメリットが得られます。
仕事は手を抜かずに完璧にするものという先入観を持っている人にとっては、信じられないでしょう。そのため、まずは仕事では諦めが肝心となる理由を把握しておきましょう。
仕事には時間制限がある
仕事には納期があります。また、同時に複数の仕事を進めなければならないので、1つ1つの仕事でいちいち完璧を目指していては、いくら時間があっても足りないでしょう。
しかし、完璧主義の人は完璧と納得するまで1つの仕事にこだわり、生産性を落とします。
代わりに質の高い仕事ができますが、求められている以上の質の仕事をしたとしても、得られる利益は変わらなかったりもします。
そのため、完璧や納得は諦めて、最低限や自分のできる範囲を見極め、問題のないレベルの仕事をたくさんこなした方が優秀と判断されるでしょう。
長期的成功のための戦略的な諦めがある
仕事によって重要性は異なります。もし、どの仕事も完璧にこなそうとすれば、効率を落として重要性の高い仕事に時間や力を注げなくなります。
また、効率優先で全ての仕事を最低限しかしなければ、重要性の高い仕事も最低限のことしかできなくなるでしょう。
重要性の高い仕事には時間も力も十分に注ぐ必要があるので、先を見据え質を諦めた方が良い場合もあります。力と時間の使いどころを把握できるのは優秀な証拠です。
一般会社員にできることは限られている
全ての仕事を完璧にこなすのは非効率なので、諦めるべきときは諦めないといけません。
しかし、中には常に完璧な仕事をして、成果を上げ続ける人もいます。
ただ、常に完璧に仕事ができる人は、ズバ抜けた能力を持っていたり、役員のように権利や権力を持っていて仕事のやり方に多くの選択肢を持っていたりなどします。
しかし、世の中の多くの人はズバ抜けた能力も、大きな権力もないので、仕事のやり方に対する選択肢が少ないです。
一般社員には選択肢を増やす力がないので、言われたことをするだけとなってしまう場合もあるでしょう。
選べない選択肢のことで悩んでも意味はなく、ストレスになるだけなので、限られた選択肢の範囲で最善を尽くすことを考えた方が良いでしょう。
最善を積み重ねることで評価を得られ、徐々に選択肢は増えていきます。
既存のリソースでできることは限られている
人手や予算などが不足している状態で仕事をさせられていると、職場に不満が溜まってきます。しかし、一般社員に人手や予算などを増やす権利や権力はありません。
不満を感じたまま仕事を続けると、ネガティブな感情に負けて仕事の質を落とす危険性があります。そのため、与えられた環境では、ここまでしかできないと、割り切ってしまいましょう。
与えられた環境内で最善を尽くしていれば、会社や上司は文句を言えません。
また、自分もできることは精一杯やっていると思うことで、不満によるストレスを軽減できます。
諦めても給料は貰える
仕事は諦めが肝心と理解していても、どうしても諦められずに完璧に走ってしまう人もいます。そのような人は、「諦めても給料は貰えるから」と極端な考え方に振り切ってしまいましょう。
完璧な仕事をしても、諦めて最低限の仕事しかしなかったとしても、どちらでも給料は貰えます。
全ての仕事を完璧にできるのは一部の人間だけなので、無理に完璧になろうとして自分を追い詰める必要はありません。
また、完璧主義の人であれば、どうしても行動が完璧に寄りがちなので、極端な考え方に振り切るくらいが丁度良い力の入れ具合となることもあります。
頑張っても給料はあまり変わらない
努力と給料はリンクしないと理解することも、完璧をやめるには良い方法です。
完璧を目指して仕事の質を上げても、社員本人への報酬が上がるわけではありません。
上がるとしてもずっと先のことになるでしょう。
その間も使徒の高い仕事を続けなければいけなく、やっと給料が上がったとしてもわずかな額。それどころか、上司からは「もっと早く仕事はできないのか?」と言われてしまうことも…。
努力しても結果が報われないと悩みを抱えるくらいなら、完璧を諦めて最低限の仕事でストレスを軽減しながら仕事をした方が良いでしょう。
正しい仕事の諦め方とは
仕事は完璧にこなすよりも、諦めて最低限にした方が良い場合もあります。しかし、力を注ぐ仕事と、そうではない仕事は見極めないといけません。
もし、見極めに失敗すると、力の入れどころを誤る危険性があります。
では、仕事を正しく諦めるには、どう判断すれば良いのでしょうか?
諦めるのは恥ずかしくない
仕事で諦めることは悪いことのように思われています。当然、仕事が面倒だから手を抜くのは悪いことです。
しかし、力の入れどころを見極めて、「この仕事はこのくらいのデキで良いや」などと思うのは悪いことではありません。先を見据えて諦めるのは戦略であり、必要なことです。
もし、諦めるという言葉に抵抗や恥ずかしさを感じる場合には、適宜や適切などの言葉を思い浮かべましょう。
のちに力を入れるべき仕事があるので、適宜・適切な判断をしているのです。
目標の再選択ができる
仕事が諦めにくい原因は目標不達成による精神的負担です。
「この仕事は明日までに終わらせる」「この仕事は上司から修正を入れられずに通す」など、自分で目標を設定した場合、その目標が達成できなかったときに、挫折感や恥ずかしさなどを感じてしまいます。
これらのネガティブな状況を避けるために、仕事が諦められなくなります。
そのため、目標は目の前の仕事ではなく、「来年までに責任のある仕事を任せてもらえるようになる」「1年かけて資格を取得する」など、長期的なものにしましょう。
目標を遠くに設定することで、目の前の目標は単なる通過点になります。
もし、目の前の目標が達成できなくても、別の目標を立てて、別ルートで最終目標に向かうことができます。
また、目標の再選択をしているので、目標不達成とはならないため、仕事が諦めやすくなるでしょう。
判断基準は自分でコントロールできるかどうか
会社で働く以上は組織のルールに従う必要があり、多くの人は与えられた環境内で、少ない選択肢で仕事をしなければなりません。
どう頑張っても一般社員では従業員を雇ったり、予算を増やして機器やソフトを勝手に導入したりはできないでしょう。
このような自分ではどうにもできないことに対しては、改善したいと思っても諦めるしかありません。
会社に相談するという方法もありますが、非常に大きなエネルギーが必要になるうえに、目標が達成できるとも限りません。
ただ、仕事の順序を変えたり、他人にフォローを頼んだりなどは自分で判断して、実行しても問題ありません。
これらを実行することで状況が改善されて目標が達成できる場合があるでしょう。
そのため、自分の判断と実行ができるものは、諦めてはいけません。できることがあるのに、やらないのは、手を抜いていることになるので注意しましょう。
仕事を諦めきれないときの対処法
仕事を諦めると精神的負担を感じてしまうことがあり、どうしても諦めきれない人もいます。
諦めたいのに諦められない場合には、どうすれば良いのでしょうか?
お金にならないと割り切ってみる
仕事をする理由の1つはお金です。生活するために仕事をして給料をもらいます。
その給料は完璧に仕事をこなしても、無理なく自分にできる範囲でやっても、給料はあまり変わりません。
そのため、完璧を目指して努力した分、その労力は企業が得するだけです。
自分に得がないのであれば、完璧な仕事を目指すよりも、適切な力の入れ具合で仕事をした方が良いでしょう。
努力はお金にならないと割り切ることで、気持ちは楽になります。
気持ちが楽になることで、ストレスが軽減されて仕事が継続しやすくなるでしょう。
他の人に相談してみる
仕事を諦められないのは個人的な悩みです。職場いじめやパワハラのように人間関係がごちゃごちゃと絡むようなものではないため、周りに相談しやすいです。そのため、他の人がどのような気持ちで仕事をしているのか聞いてみましょう。
もし、職場の人に相談しにくいと感じる人は、家族や友人に相談してみても良いでしょう。
過去に同じような経験をした人がいれば、良いアドバイスがもらえる可能性があります。
また、アドバイスがもらえなくても、悩みを口にすることで気持ちがスッキリするでしょう。
環境を変えてみる
仕事が諦められないのは個人的な悩みなので、基本的には自分自身で解決するしかありません。しかし、性格や職場習慣、社風などが絡む部分もあるので、なかなか完璧の思考から抜け出せずに仕事が諦められない人もいるでしょう。
その場合は、思い切って転職を検討してみましょう。自分が変わるのではなく職場を変え、仕事のやり方や流れなどをガラッと変えてしまいます。
もし、新しい環境が自分の仕事のやり方に合っていれば、悩みは解決するでしょう。
ただし、職場に問題があるわけではなく、会社を辞めるのは人生において大きな決断となります。
また、スキルアップやキャリアアップなどの成長や将来性にも影響が出ます。そのため、判断は慎重に行い、転職するなら事前にしっかりと準備を整えて、後悔しないようにしましょう。
まとめ
仕事は常に完璧を目指すよりも、諦めるべきポイントは諦めた方が良いです。仕事の効率化やストレスの軽減などに繋がります。
ただし、諦めるべきポイントを見誤ると、仕事の手を抜いていることになってしまいます。
そのため、しっかりと諦めるべきポイントを見極め、正しい諦め方をしましょう。